イチゴ栽培の方法とコツ|植え付けから収穫までの流れ

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イチゴ栽培の育て方のコツ|植え付けから収穫までの流れ

丈夫で育てやすく、家庭菜園でも人気の高いイチゴですが、美味しく育てるためのポイントがあるのはご存知でしょうか?

イチゴを甘く育てたり、たくさん実をつけたりするためには、育て方にコツがあります。

この記事では、イチゴ栽培の基本的な流れやポイント、美味しいイチゴを育てるためのコツについて紹介していきます。

美味しいイチゴの自家栽培に挑戦してみたいという人は、ぜひ読んでみてください。

イチゴ栽培のスケジュール

イチゴ栽培のスケジュール

まずは、イチゴ栽培の年間スケジュールについて紹介します。

イチゴは品種や栽培方法、地域によって栽培スケジュールが異なりますが、美味しいイチゴを育てるには、栽培の流れを把握しておくことが大切です。

今回は、旬の5〜6月頃に収穫する一季なりの品種を、関東で露地栽培やプランター・鉢植え栽培した場合の栽培スケジュールを紹介します。

●9〜10月…土作り・畝立て

●10月…定植(植え付け)

●11月…追肥

●12〜2月…休眠期

●2月…2回目の追肥・マルチング

●3月…人工受粉・除草・害虫除去管理

●5〜6月…収穫

●7〜9月…収穫後の栽培管理・自家育苗

上記の一季なりの露地栽培スケジュールにそって、育て方のコツや流れ、栽培管理方法や注意点について解説していくので、参考にしてみてください。

イチゴの育て方のコツ

イチゴの育て方のコツ

イチゴを露地栽培で育てる際の、土作りについて解説します。

イチゴに限らず、農作物を育てる上で、土作りという過程は非常に重要です。

栽培には最適なpH濃度があるほか、イチゴ作りには、適した畝の高さや肥料をなじませておくタイミングなど、上手に育てていくためのコツがあります。

詳しく解説していくので、土作りに役立ててください。

イチゴの土作り・畝立て

イチゴ栽培をする際は、植え付けの3〜4週間前、遅くとも2週間前までには、栽培するための土作りや畝立てを行います。

イチゴは肥料が直接根に触れると傷みやすいため、元肥などを事前に土になじませておくかなければなりません。

畑であれば、1㎡あたり1.5〜2kgの完熟堆肥をすき込んでいきます。

鉢やプランターの場合は、肥料入りの専用用土を使用すれば問題ありません。

また、イチゴ栽培は水はけの良い土壌が適しているので、畝は幅60cmに、15〜20cm程度の高さで形成しましょう。排水性の悪い土壌であれば、20〜30cmの高畝にしてもかまいません。

植え付け前に石灰肥料を散布

植え付けの3〜4週間前に、土壌酸度を整えるために必要なのが石灰肥料の全面散布です。

イチゴの栽培は、一般的な農作物と同様に、5.5〜6.5pHの弱酸性〜微酸性の土壌が適しています。降雨量の多い日本では、土壌が酸性にかたよりやすいため、石灰肥料を使用して調整しなければなりません。

石灰肥料は、カルシウムとマグネシウムを補給できる苦土石灰を使用するのが一般的です。使用量の基準としては、1㎡あたり100gの量を使用します。

炭酸カルシウムも石灰質肥料ですが、マグネシウムが含まれていません。

使用する場合はマグネシウムを含む硫酸苦土などと合わせて、1㎡あたり100g程度の量を散布し、深く耕してなじませましょう。

土の質によっては、土壌がアルカリ性になる場合もあるので、注意して使用量を調整してください。

イチゴ栽培の流れ

イチゴ栽培の流れ

イチゴ栽培の序盤の大事な行程となる、育苗から定植までの流れについて紹介していきます。

栽培を始める上で育苗は必須ではありませんが、連作するのであれば大切な行程となるので、ここで学んでおきましょう。

育苗や定植は失敗しないためのポイントやコツがあります。

詳しく解説していくので、読んでみてください。

育苗

イチゴ栽培は、一般的に購入した苗の植え付けから始めますが、自分で苗を育てるところからも始めるのも可能です。

イチゴは、収穫後の株元から伸びる「ランナー」という細い茎から根付かせて、新しい苗を増やせます。育苗するための親株は、ホームセンターやJAなどで購入可能です。

7月〜9月の期間に、購入した親株を地面に植えたり、ポッド受けを使用したりして苗を増やします。一株の親株から取れる苗は20個程度です。

ただし、地面に植える方法は、畑が病気を発病しているとその土の影響を受けてしまうため、初心者には難しいかもしれません。初めての育苗なら、簡単にできて根が傷みにくい、ポッド受けでの育苗がおすすめです。

経験しておけば翌年以降の育苗に役立ちますが、難しそうであれば、購入した苗から植え付けても問題ありません。

定植(植え付け)

植え付けをする際はポイントがあるので、注意して行ってください。

育苗した苗や購入した苗は、10月頃に畑やプランター、鉢に植え付けますが、深植えや浅植えをしないように気をつけましょう。

初心者の人は深植えをして失敗するケースが多いです。イチゴは株の根本にある「クラウン」と呼ばれる短い茎を、地上部に出す必要があります。

植え付け時は苗の方向も重要です。収穫や管理作業がしやすくなるので、花房が通路側になるように、30〜40cm程度の株間で植え付けてください。

イチゴの花房は親株側に向かう古いランナーの反対側に出るので、苗のランナーを確認して植え付けます。

植え付けができたらたっぷり水やりをして、定植は完了です。

イチゴ栽培の管理

イチゴ栽培の管理

11月から6月までのイチゴの栽培管理について、詳しく解説していきます。

美味しいイチゴを育てるためにも、適切な管理方法を知っておきましょう。

収穫までのポイントとなる管理項目は、以下の通りです。

●追肥

●葉かき・ランナー取り

●人工受粉

●除草・害虫除去管理

●マルチング

●収穫

具体的な方法や注意点について解説していくので、参考にしてください。

追肥

追肥は地植えの場合、主にタイミングは2回です。

必要があれば、4月の中旬頃に3回目の追肥を行います。

1回目の追肥は、苗がなじんで生育が盛んに始まったタイミングで行ってください。

時期としては、10月に植え付けをしたのであれば、11月上旬から中旬頃です。

株元から10〜15cm程度離れたところに散布して、周りの土と軽く混ぜます。

2回目は2月上旬から中旬頃に実施するマルチングの前に、畝の肩部分に散布して、通路の土を軽くかぶせてください。

追肥には緩効性の肥料を用いますが、緩効性化成肥料もしくは油かすのいずれを使用する場合も、1㎡あたり20g程度の量で使用します。

葉かき・ランナー取り

イチゴは冬の休眠期が終わると、新しい葉やランナーが伸び始めるので、古い葉や不要なランナーを取り除きましょう。

花の下の方にある古い葉は、光合成の能力が低下し、残しておいても病害虫の温床になってしまいます。7〜8枚の葉を残しておけば、生長していく上で問題ありません。

育苗期間はランナーから苗を育てますが、その期間以外のランナーは基本的には不要です。栄養がランナーに取られてしまうので、株元から摘み取り、長いものはハサミで切り取ります。

人口受粉

3月になって花が咲き始めたら、穂先の柔らかい筆や綿棒などを使って人工授粉を行ってください。

受粉はミツバチなどの訪花昆虫や風など、自然の力によっても行われますが、花が早く咲いた場合などは、昆虫の活動による受粉が不十分になる場合があります。

イチゴの形や味が悪くなる原因の1つは受粉不良で、美味しくて形の良いイチゴを作るためには、雌しべにまんべんなく花粉がつくことがポイントです。

イチゴの花は雄しべと雌しべの両方がある両性花で、花の中心付近にある雌しべを、筆などでまんべんなくなでるだけで受粉ができます。

花粉がたくさん発生する午前中に人工受粉を行ってください。

除草・害虫除去管理

イチゴ栽培を行う際は、雑草や害虫にもしっかり注意を払いましょう。雑草は土の養分を取ってしまうほか、害虫の温床にもなってしまうので、こまめな除草が大切になります。

規模が小さければ手や鎌で十分ですが、栽培面積が広いのであれば、草刈り機の使用がおすすめです。防草シートや農耕地用の除草剤もあるので、活用してみてください。

また、開花後は収穫まで害虫にも注意しなければなりません。

適切な処置をしないと、食害や生育の阻害、病気の媒介などさまざまな被害に発展します。

害虫に応じてそれぞれ対処法や予防対策がありますが、受粉期間に自然の力を利用する場合は防虫ネットの使い方に注意しましょう。

マルチング

冬の休眠が明けて、2回目の追肥を終えたら、マルチングを行ってください。

低温にさらされ続けた土地の温度を、黒のポリフィルムのマルチを張って上昇させ、花芽の生長を促します。

マルチは畝の上にかぶせて、畝の両サイドの土でおさえましょう。マルチが張れたら苗の部分をカッターなどで十字に開き、痛めないように気をつけながら、茎葉をフィルムの外に出します。

プランターや鉢植えでの栽培であれば、有機資材やわらを株元に敷く方法がおすすめです。

収穫

イチゴの実が熟してきたら、収穫を行います。

見た目の判断基準としては、実にかぶさっているヘタが反り返ったら熟したサインです。

期間としては、受粉から40〜50日で、食べられる大きさに育ちます。

3月に人工授粉したのであれば、4〜5月頃には収穫できるでしょう。

収穫を終えたら、健全な株を親株に、ランナーを伸ばして新しい苗を増やして、次の植え付けに備えます。

イチゴ栽培の注意点

イチゴ栽培の注意点

イチゴ栽培の管理作業と平行して気をつけなればならないのが、害虫と病気です。

害虫や病気は、作物によってつきやすい害虫や発生しやすい病気があり、それぞれ対処方法や予防策が異なります。

イチゴに主につきやすい害虫と、かかりやすい主な病気についてまとめました。

栽培する前に、害虫と病気についてしっかり理解して、適切な対応や予防をできるようにしておきましょう。

害虫

イチゴの栽培時に注意すべき主な害虫について、対策と合わせて表にしました。

主な被害は食害ですが、病気を媒介する害虫もいるので、しっかり対策するようにしましょう。

主に注意すべき害虫主な被害対策
ミナミキイロアザミウマ食害・病気・反射性の高いマルチで株元を保護・寒冷紗で栽培施設の開口部を覆い侵入防止
コナガ食害・寒冷紗/不織布/防虫ネットで産卵予防・観察して個体ごとに捕殺
アブラムシ食害・病気・マルチングで成虫の飛来予防・共生するアリを除去して増殖を抑制
ハダニ食害・マルチングで発生を予防・株の周囲の雑草除去で発生を予防

アブラムシやコナガなど、規模の小さな菜園や数が少ないうちは手作業で駆除できます。手作業で追いつかない場合は適用登録の殺虫剤を使用して駆除してください。

病気

イチゴの栽培時は、病気にも充分注意しなければなりません。

主にイチゴで発生する以下のような病気は、生育の阻害や、葉や茎の枯死や落果につながります。

  • うどんこ病
  • 灰色かび病
  • 炭疽病

うどんこ病は乾燥時期、灰色かび病や炭疽病は、風通しが悪く湿った環境が発生条件です。栽培環境をしっかり考慮して、栽培する場所を決めるようにしましょう。

発見した際は、発症している葉や茎を速やかに取り除き、ほかの株に感染しないよう、畑の外で処分します。被害が大きくなると薬剤の使用も必要になるので、定期的な観察をしてください。

まとめ

イチゴ栽培

初心者でも育てやすいイチゴ栽培は、コツや注意点をおさえておけば、より美味しいイチゴが作れます。

栽培経験のない人にとっては、多少の知識も必要になりますが、実を甘くするための大きなポイントは、あくまで以下の3つです。

  • 栽培に最適な土作りをする
  • 古い葉や不要なランナーは取り除く
  • 十分な受粉をさせる

こまめな管理業務も大変かもしれませんが、ていねいに育てれば、旬の時期に美味しい実をつけてくれます。育て方や適切な対処方法をマスターして、ぜひ旬のイチゴを楽しんでください。