昨今では、脱サラしてスローライフを楽しむために農業を選ぶ人が増えています。
しかし、誰もが理想通りに農業で稼げたりスローライフを楽しめたりするわけではありません。
本記事では、脱サラ農業のリアルな生活や知っておくべきポイントについて解説します。
これから脱サラ農業を検討している人は、一度本記事を読んでから行動に移してください。
脱サラして農業運営が注目されている理由
脱サラして農業運営をしようと考える人は昨今多くなっています。
サラリーマンの頃のような忙しい生活からスローライフをおくりたいという人ももちろんいますが、そのほかにも農業運営には以下のような特徴があるのです。
- 支援金の充実
- 手厚い給付金制度
- 定年後も安定
以下で、それぞれについて具体的に解説します。
支援金の充実
農業は、農林水産省からの支援金があります。
主な支援金は、以下の2つです。
就農準備資金 | 経営開始資金 | |
主な要件 | ・就農予定時の年齢が、原則49歳以下であること・独立・自営就農、雇用就農又は親元での就農を目指すこと -独立・自営就農を目指す者については、就農後5年以内に認定農業者又は認定新規就農者になること -親元就農を目指す者については、就農後5年以内に経営を継承する、農業法人の共同経営者になる又は独立 ・自営就農し、認定農業者又は認定新規就農者になること ・都道府県等が認めた研修機関・先進農家・先進農業法人で概ね1年以上(1年につき概ね1,200時間以上)研修すること ・常勤の雇用契約を締結していないこと ・生活保護、求職者支援制度など、生活費を支給する国の他の事業と重複受給でないこと ・申請時の前年の世帯全体(親子及び配偶者の範囲)の所得が原則600万円以下であること・研修中の怪我等に備えて傷害保険に加入すること | ・就農時の年齢が、原則49歳以下の認定新規就農者であること ・独立・自営就農であること -農地の所有権又は利用権を交付対象者が有していること -主要な機械・施設を交付対象者が所有又は借りていること -生産物や生産資材等を交付対象者の名義で出荷又は取引すること -経営収支を交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること -交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること ・親等の経営の全部又は一部を継承する場合には、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承し、かつ新規参入者と同等の経営リスク(新規作目の導入や経営の多角化等)を負うと市町村に認められること ・就農する市町村の「目標地図」に位置づけられていること(見込みも可)、「 人・農地プラン 」に中心経営体として位置づけられていること(見込みも可)、又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること ・生活保護等、生活費を支給する国の他の事業と重複受給していないこと また雇用就農資金による助成金の交付又は経営継承・発展支援事業による補助金の交付を現に受けておらず、かつ過去に受けていないこと ・申請時及び交付期間中の前年の世帯全体(親子及び配偶者の範囲)の所得が原則600万円以下であること |
支援金額 | 道府県農業大学校や先進農家などで研修を受ける場合、研修期間中に月12.5万円(年間最大150万円)を最長2年間交付 | 新規就農される方に、農業経営を始めてから経営が安定するまでの最大3年間、月12.5万円(年間150万円)を交付 |
(引用元:就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)|農林水産省)
上記のような支援金が準備されているため、脱サラ後に資金面の心配なく始められるのです。
定年後も安定
農業の魅力として、農業には定年がありません。
サラリーマンの場合は定年を迎えたら退職しなければいけませんが、農業であれば自分の働きたい年齢まで働けます。
つまり、退職後の生活費に悩まされる心配がないのです。
昨今では農業の自動化も広がってきているので、体を動かすのが難しい年齢になっても、ある程度の収入は得られるでしょう。
農業の魅力
農業は、サラリーマンでは得られないような魅力があります。
大きな魅力として、以下の2つが挙げられます。
- ストレスから解放
- 家族との時間・自由な時間が増える
なぜそれぞれのメリットを得られるのか、以下で解説します。
ストレスから解放
農業は、サラリーマンよりもストレスを感じません。
サラリーマンと比べると、以下のような違いがあります。
- 通勤する必要がない
- 上司や部下の意見を聞かなくて良い
- 時間に縛られない
- 田舎で生活できる
サラリーマンはどうしても時間に縛られたり人間関係に苦しまされたりするストレスがあります。
農業であれば、サラリーマン時代に感じていたようなストレスは感じないでしょう。
家族との時間・自由な時間が増える
農業は、家族との時間や自由な時間が増えます。
上記で解説したように、農業はある程度自分のペースで生活できる上に通勤する手間もかからないからです。
例えば、通勤にかかっていた時間が片道1時間であれば、往復2時間分は自由な時間や家族との時間に費やせます。
趣味に費やす時間も確保しやすくなるので、のんびりした満足できる人生になるでしょう。
農業をはじめて大変なこと
農業を始めることは、メリットだけではありません。
実際に農業を始めると、苦労を感じるシーンも多いです。
以下では、とくに農業初心者が感じやすい大変なことについて解説します。
周囲の農家との人付き合い
農業初心者が最初に苦労するのは、周囲の農家との付き合いです。
農家は基本的に田舎の農地を使うため、田舎特有の人間関係に慣れなければいけません。
「サラリーマンをやめて人間関係から解放されると思ったらそんなに甘くなかった」というケースもあります。
農業といっても、ある程度の人付き合いは必要だと理解しておきましょう。
補助金制度について
農業は補助金制度も充実していますが、誰でも補助金を受けられるわけではありません。
例として、農業次世代人材投資資金の経営開始型のなかから、とくに知っておくべき条件を見ておきましょう。
- 原則49歳以下
- 認定新規就農者である
まず、50歳を超えてしまうと補助金を受け取れません。
次に、補助金を受け取るためには認定新規就農者にならなければいけませんが、認定新規就農者になるには「青年等就農計画」を市町村に提出し、承認をもらう必要があります。
この「青年等就農計画」の作成は、初心者にとって大変な作業です。
5年後のビジョンやプロセスまで記載しなければならないので、計画書の作成だけでも時間がかかります。
天災などの対応
農業を行う上で大きな問題となるのが、天災です。
どれだけ農業で安定的な収入を得られていたとしても、天災に見舞われてしまえば一気に収入はなくなってしまいます。
天災ばかりは防ぎようがないので、何かあったときのために貯金をしておく必要があります。
販売先の確保
農業を始める際には、販売先を確保しなければいけません。
当然ではありますが、農業を始めたからといってすぐに販売できるわけではありません。
自分で営業を行って、やっと販売できる業者などが見つかるのです。
そのため、最初のうちは作物を育てるだけではなく、営業活動にも時間をとられます。
脱サラして農業をはじめる前に知っておきたい事
脱サラ農業で失敗しないために、以下の点については事前に確認しておきましょう。
- 事業計画
- 農地
- 農機具・設備
- 補助金・支援金
それぞれを事前に確認しておけば、スムーズに農業を始められます。
以下で、具体的にどのような点を確認しておくべきか、解説します。
事業計画(何を作るか)
脱サラ農業を行う際には、事業計画を立てておきましょう。
詳細な計画を作る必要はないので「何を作るか」「どこの地域で育てるか」あたりまで考えておくと良いです。
農林水産省による作物別の所得なども公開されているので、ある程度の所得目安も考えられます。
農地の調査
農業を行うには当然農地が必要です。
しかし、農地を安易に決めてはいけません。
農地は農地法に則って取得し、農業委員会の許可を得る必要があるのです。
安易に土地を選んでしまうと、法律に違反したり手続きが漏れたりする可能性があります。
農地を購入してから失敗しないために、事前に地域の農業員会や農地中間管理機構に相談してみましょう。
農機具・設備の準備
育てる作物が決まったら、農機具や設備の確認・準備を行います。
農業といっても作物によって必要な農機具や設備は異なるので、どの作物にどのようなものが必要か調べておきましょう。
また、トラクターなどの大型農業機械は新規で購入すると高額になるので、中古やレンタルができるか調べておくと良いです。
補助金・支援金の確認
農業の初期費用に不安がある場合は、補助金や支援金についても確認しておきましょう。
先述したように補助金や支援金については細かく要件が定められています。
そのため、いざ補助金や支援金を活用しようと思っても、要件に当てはまらずに活用できないケースがあります。
補助金や支援金を活用する場合は、補助金などの専門家などにも相談しておくと良いでしょう。
脱サラして農業を成功させるポイント
脱サラして農業を成功させるには、周りの協力が必要です。
とくにゼロから農業を始める場合は、すべて一人で行うのは現実的ではありません。
以下で成功のポイントを5つ紹介するので、参考にしてください。
先駆者の意見を参考にする
農業に限りませんが、何かを始めるときには先駆者の意見を聞きましょう。
先駆者の意見は、その人が実際に経験していることなので、間違いなくタメになります。
もし同じように脱サラして新規就農した人がいるなら、最も良い相談先になるのでぜひ積極的に相談してみてください。
作物選び
脱サラして農業を成功させるには、作物選びも重要です。
「何を育てるか?」によって、得られる収入は大きく異なります。
野菜を育てる場合であれば「一つの野菜なのか、複数の野菜なのか」、果物を育てる場合なら「どの果物を育てるのか?」など、収入とのバランスを見ながら検討しましょう。
新規就農相談センターに相談する
農業について周りに相談できる人がいない場合は、新規就農相談センターに相談しましょう。
新規就農相談センターでは、就農に関わる内容について1から相談できます。
「何を育てるべきか」「どんな場所を選ぶべきか」などの基本についても相談できるので、まずは一度相談してみましょう。
農業体験をする
農業についての知識やスキルをつけるなら、一度農業体験に行ってみましょう。
農業体験は「農業をはじめる.JP」などで研修を踏まえた体験のほか、各農家で行われている気軽に参加できるものもあります。
まずはとにかく農業に触れることが大事なので、いきなり農業を始めるのではなく、農業の大変さや感動を味わってみましょう。
家族の協力を得る
農業は安定した収益を得るまでに時間がかかりますし、人を雇うまでも時間がかかります。
そのため、家族の協力は絶対に必要です。
まずは、農業という仕事について理解してもらわなければいけません。
その上で、農業を手伝ってくれるように説得する必要があります。
とくに脱サラする場合は、安定したサラリーマンを辞めなければいけないので、反対されるケースもあるでしょう。
それでも農業をやるのであれば、根気強く説得して協力を得られるように話しを進めていきましょう。
脱サラして農業を始めよう
脱サラでスローライフをおくりながら収入を得るなら、農業が一番適しています。
安定的な収益を得るまでには時間がかかるものの、ストレスの少ないのんびりした生活をおくれるでしょう。
ただし、育てる作物は慎重に検討してください。
作物によっては初心者では育てるのが難しかったり体に負担がかかったりするものもあります。
そのなかでも、収益を得やすく体への負担が少ない作物は、イチゴです。
イチゴは野菜などと比べて所得の多い作物ですし、高設栽培であれば体への負担もすくないです。
もしまだ育てる作物が決まっていないなら、イチゴ農家を検討してみましょう。
イチゴ農家なら椿産業にご相談ください
椿産業は、脱サラしてイチゴ農業を行う人を応援します。
「初期費用が不安・身体的に続けられるか不安・栽培できるか不安」などがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
また、弊社の栽培システムは以下のような方におすすめです。
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