イチゴ農家が儲かる仕組みと栽培しやすい理由

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イチゴ農家が儲かる仕組みと栽培しやすい理由

農業のなかでも、イチゴ農家は儲かると注目されています。

そこで「実際にイチゴ農家の収入がいくらなのか」「イチゴ農家を始めるにはどのようにしたらいいのか」などについて解説します。

昨今では、脱サラして農業に転身する人もいるので、ぜひ新しく自分で事業をおこないたい人は、参考にしてください。

イチゴ農家の経営年間所得

イチゴ農家の経営年間所得

イチゴ農家の経営年間所得は、約500万円ほどです。

所得はあくまで経費を引いた額なので、売上で言えば600万~900万円ほどになります。

もちろん平均所得であるため、最初から500万円ほどの所得になるとは限りません。

しかし、イチゴ農家で安定的な収入を得られるようになれば、年間所得500万円は稼げるようになるでしょう。

イチゴ農業を始めやすい理由

イチゴ農業を始めやすい理由

農業のなかでも、イチゴ農家は初心者でも始めやすい特徴があります。

イチゴ農業を始めやすい理由として、以下の2つが挙げられます。

  • 施設栽培で環境を調整しやすい
  • 収支の見通しがつきやすい

農業は作物によって環境を調整しなければいけませんが、イチゴ農業であれば環境を調整しやすいです。

さらに収支の見通しがつきやすいので、農業初心者の方でも安心して始められます。

以下で2つの理由について具体的に解説します。

施設栽培で環境を調整しやすい

作物の育て方には、主に露地栽培と施設栽培があり、イチゴは基本的に施設栽培です。

露地栽培は畑をそのままの状況で使用するため、天候などの影響を受けやすいデメリットがあります。

一方で施設栽培は、湿度や日射量などを調節しながら作物を育てられます。

そのため、施設栽培であれば農業が初めての人でも挑戦しやすいです。

収支の見通しがつきやすい

イチゴは他の作物と比べて、収支の見通しがつきやすいです。

野菜などの場合はその時期によって価格が大きく上下する場合がありますが、イチゴの場合は価格の変動に巻き込まれにくい特徴があります。

施設栽培の場合であれば、天候などの影響がなく、不作になる可能性も低いです。

また、高単価の品種を選べば、安定的な高収入を得られるでしょう。

イチゴ農業は儲かる農作物

イチゴ農業は儲かる農作物

イチゴ農業は、基本的に儲かりやすい農作物です。

初めて農業に挑戦する人でも、イチゴ農業であれば一定の収入を目指せます。

イチゴ農業が儲かる理由は、主に以下の4つです。

  • 品種によって単価を上げられる
  • イチゴ狩りで人件費を削減できる
  • 農家カフェで売上を上げられる
  • 直売販売で中間マージンを削減できる

具体的にどのように売上を上げるのか、以下で解説します。

品種選びで単価を上げる

イチゴは品種によって価格がさまざまです。

なかには、数万円を超えるほどの高級品種もあります。

そのため、自身の農家で高単価の品種を育てられれば、それだけで高収入を狙えるのです。

高級品種と言われるイチゴには、以下のようなものがあります。

  • 美人姫…一粒あたり10,000円
  • 天使の実…一粒あたり2,633円
  • さくらももいちご…一粒あたり540円

初心者のうちは高級品種を育てるのは難しいですが、イチゴ農家に慣れてくれば、高級品種の育成・販売もできるようになるでしょう。

イチゴ狩りで人件費削減

イチゴ農業では、イチゴ狩りを行うことで人件費を削減できます。

たとえば、出荷などを頻繁に行う場合は、出荷するためのスタッフも確保しなければいけません。

しかし、イチゴ狩りであれば出荷に関するスタッフは最小限で済みます。

また、他の作物と比べてイチゴ狩りは人気が高いので、収穫時期であれば基本的に集客に困るケースはありません。

農家カフェ

イチゴ農業と並行して、農家カフェを行えるのもイチゴ農業ならではのメリットです。

カフェを一緒に行えば、単純にイチゴの販売を行える上にカフェの売上も得られます。

さらに、カフェに来るお客様にイチゴを販売できるので、一石二鳥です。

野菜農家の場合、カフェとの相性が悪いので、イチゴならではのメリットと言えるでしょう。

直売販売

イチゴ農家に限りませんが、直売販売で売上を上げる方法もあります。

直売販売は新鮮なイチゴを販売できる上に、中間卸売業者へのマージンがかかりません。

販売で得た収益が、そのまま入ってきます。

また、直売販売は顧客獲得のチャンスになる上に、周囲の農家とコミュニケーションをとれるきっかけにもなります。

イチゴ農業で新規就農したい場合は?

イチゴ農業で新規就農したい場合は?

イチゴ農業を始める方法として、主に以下の2つがあります。

  • 新規就農
  • 新規雇用就農

新規就農は、新しく自営業として農業を始める方法です。

一方で新規雇用就農は、農業法人などで雇用されて農業を始める方法です。

ゼロから知識やスキルを学ぶ場合、新規雇用就農を選ぶケースもありますが、やはり自営業として新規就農を目指したい人もいるでしょう。

ただし、ゼロから新規就農を行う場合、何もわからないままでは始められません。

そのような場合には、以下の方法で知識を得ると良いでしょう。

  • 農業をはじめる.JPに相談
  • 農機具販売店に相談

また、新規就農の場合は初期費用がかかるので、費用面についても考えておかなければいけません。

以下で、新規就農において考えておくべき内容や相談先について解説するので、これからイチゴ農業を始めたい人は、参考にしてください。

初期費用と生活防衛資金を貯める

新規就農を始めるには、資金を用意しておかなければいけません。

主に必要となる資金は以下の2つです。

  • 初期費用
  • 生活防衛資金

まず「初期費用に関しては施設栽培か露地栽培か」「農地の範囲」などによっても大きく費用が異なります。

参考として、20a程度で施設栽培を始める場合は、1,400万円ほどかかります。

さらに、初期費用として、運用にかかる費用も考えておかなければいけません。

イチゴ栽培の場合は年間で約150万円の運用費用は、見ておきましょう。

次に、生活防衛資金です。

農家で生計を立てるには安定した収益を得るまでに時間がかかるので、何かあったときのために生活資金を貯めておきましょう。

一概にどの位あれば良いかは家族構成によっても異なりますが、目安として年間で150万~200万円を用意しておけば安心です。

もしどうしても初期費用が用意できない場合は、以下の方法で資金調達できます。

  • 金融機関からの融資
  • 日本政策金融公庫からの融資
  • JAの農業融資
  • クラウドファンディング

また、新規就農者を支援するための国の補助金もあります。

  • 農業次世代人材投資資金
  • 青年等就農資金

補助金や資金調達を上手く使えば、初期費用が用意できない場合でも、新規就農できる可能性があります。

農業をはじめる.JPに相談

「農業をはじめる.JP」は、新規就農に役立つ情報を集めたポータルサイトです。

サイト内では、以下のようなコンテンツがあります。

  • 就農の知識
  • 就農体験
  • 就農の相談
  • 研修
  • 求人情報
  • 支援情報

いずれも新規就農者にとって役立つ情報ですが、なかでも「就農の相談」がおすすめです。

就農相談は、以下のように分かれています。

  • 全国新規就農相談センターで相談
  • 都道府県の就農相談窓口で相談
  • 就農イベント
  • 就農セミナー

窓口での相談では、新規就農にあたって何から始めるべきかなどを相談できます。

例えば、以下のような方でも気軽に相談可能です。

  • 利用できる制度を知りたい
  • 就農する地域・作物が決まっていない

Zoomによるオンライン相談のほか、メールや電話相談も可能なので、まずは気軽に相談してみましょう。

農機具販売店に相談

農業を始めるにあたって、農機具販売店とは必ず関係を持ちます。

農機具販売店は農家と密接な関係なので、お近くに農機具販売店があれば相談してみましょう。

単純な農機具の扱い方についての相談から、イチゴ農業にかかる農機具の費用などの相談も可能です。

イチゴ農家の収入

イチゴ農家の収入

イチゴ農家の平均年収は、他の農業と比べると高いです。

参考として、4つの農家で年収を比べてみましょう。

  • 玉ねぎ農家…およそ年収180万円
  • 白菜農家…およそ年収130万円
  • りんご農家…およそ年収502万円~661万円
  • イチゴ農家…およそ年収590万~900万円

玉ねぎ・白菜については、その野菜一つだけの農業を行った場合の平均年収です。

野菜農家はいくつもの野菜を収穫しているので、実際に130万円~180万円ほどの年収で生活しているわけではありません。

対して、イチゴ農家はイチゴのみで590万円ほどの年収になります。

さらに、手取り額を計算してみましょう。

年収を600万円と仮定した場合、以下の税金などが引かれます。

  • 社会保険料…年間約85万円
  • 所得税…年間約20万円
  • 住民税…年間約30万円

「年収600万円-(85万円+20万円+30万円)=手取り465万円」となります。

12カ月で割ると、平均の月当たりの手取り額は38万円~40万円ほどです。

サラリーマンの平均手取り額は20万~27万円と言われているので、サラリーマンよりもイチゴ農家の方が儲かると言えます。

取り扱い品種・カフェと兼業で収入UP

取り扱い品種・カフェと兼業で収入UP

イチゴ農業は、基本的に安定した収入を目指せる農業です。

イチゴ単体で比較してみても、野菜農家よりも稼ぎやすいので、初心者でも安定した収入を狙えるでしょう。

さらに収入を高めるためには、取扱い品種を高級品種にしたりカフェと兼業したりする方法もあります。

上手く高級品種を育てられれば、1粒当たり500円以上になる可能性もあるので、高収入を目指せるでしょう。

また、カフェと兼業でイチゴ農業を行えば、カフェ収入を得られますし顧客獲得などのメリットも得られます。

このように、イチゴ農家はやり方次第でいくらでも儲ける方法を考えていける農業です。

最初の段階では初期費用もかさんでしまいますが、農業の補助金などは利子がかなり低いので、返しきれなくなる可能性はほとんどありません。

長期的にみれば、ほぼ確実に安定的な収入を得られます。

もしどうしても不安な場合は、農業の先輩などのアドバイスを聞いてみるのも良いかもしれません。

椿産業でもイチゴ栽培についてアドバイスしているので、まずはお気軽にご相談ください。