イチゴ高設栽培は低コストかつ作業負担減!

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イチゴ高設栽培は低コストかつ作業負担減!

近年、作業のしやすさや観光客がイチゴ狩りをしやすいなどの理由から「高設栽培」を採用する農家が増加しています。

高設栽培は作業性や収益性が高いだけではなく管理もしやすい栽培方法です。

この記事ではイチゴの高設栽培についてまとめました。

  • イチゴの高設栽培とは?基本的な育て方とは
  • 高設栽培のメリット
  • 高設栽培のデメリット
  • 高設栽培のコツ

この記事を読んで、高設栽培の理解を深め、導入する参考にしてください。

イチゴの高設栽培とは?基本的な育て方とは

イチゴの高設栽培とは?基本的な育て方とは

イチゴの高設栽培とは、人間が作業しやすい位置に株を設置した栽培方法です。

そのため、高設栽培では無理な作業姿勢を取る必要なく、手入れや収穫作業を行えます。

一方で、土地の土壌を使用した栽培ではないため、人工的な培養土を用いて育てる必要があるので注意してください。

ここでは、基本的な育て方や必要な器具についてまとめました。

  • イチゴの高設栽培の基本的な手順
  • 必要な器具や材料について知ろう

イチゴの高設栽培についてしっかり押さえましょう。

イチゴの高設栽培の基本的な手順

イチゴの高設栽培の基本的な手順は以下の通りです。

  1. ベンチを設置する:ベンチとは、イチゴの苗を植えるための枠組みです。段数によってタイプが異なります。ベンチは木材や鉄パイプなどで作りましょう。ベンチはメーカーの商品を購入するか自分で作成して設置しましょう。
  1. 培地を準備する:ベンチの上に敷く培地を栽培層に準備します。

栽培槽は、発泡スチロールや樹脂を素材とした成形品と、不織布やシート類を張ってるものの2種類にわけられます。

前者は約1mの成形品を連結して栽培ベンチに置き、栽培ベンチに緩い傾斜を持たせて排水が可能です。

後者は簡易な構造ですが排水が下に落下するため、それを集めて下へ流す樋の設置も必要になります。

  1. 苗を植え付ける:苗は9月下旬~10月上旬の秋に植え付けます。苗は栽培ベッドに穴を開けて挿し込みます。株と株の間隔は30cmほど空けて植え付けましょう。
  1. 水と肥料の管理をする:適切な水と肥料の管理は専用の養液を用いて行います。養液は水と肥料を混ぜて作られており、土の酸性度などを調整します。水の量は気温や日長などに応じて調整しましょう。

必要な器具や材料について知ろう

高設栽培に必要な器具や材料についてまとめました。

普段は聞きなれない器具もあるので、ここでしっかり押さえましょう。

  • 栽培ベンチ:ベンチとは、イチゴの苗を植えるための枠組みを指します。段数によってタイプが異なります。高さ1m程度の移動式のベンチを使用すると、施設面積の有効利用や作業の負担軽減につながります。
  • 栽培槽:栽培槽は発泡スチロールや樹脂を素材とした成形品と、不織布やシート類を張ってるものの2種類に分けられます。
  • 苗:自家育苗または購入して準備しましょう。
  • 養液:専用の液肥や水溶性肥料を水に溶かして作られています。酸性に傾いていく土の酸性度などを調整する役割があります。
  • 灌水装置:ポンプ、パイプ、ドリッパーなどの灌水装置を準備します。

高設栽培では点滴潅水という点滴チューブやパイプを使って作物の株元に点滴のようにゆっくりと水を与える方法がよく用いられます。

厳密に水や液肥を管理でき、潅水と施肥を同時にできるなど省力化が可能です。

また、点滴潅水の際には生育のムラが顕著になるので、その他の資材で代用はしないようにしてください。

  • pH計・EC計:養液や土壌のpHと電気伝導度を測定する器具です。この器具の数値をもとに肥料や水が十分か確認し、水と肥料の量を調整します。

高設栽培のメリット

高設栽培のメリット

高設栽培のメリットは4つあります。

  • 生産性が高い
  • 収穫期間が長い
  • 農薬・肥料のコストを抑えられる
  • 害虫被害のリスクが軽減

高設栽培は生産性が高く、コストを抑えられるため、収益化が見込めます。

また、害虫の被害も少ないため、管理しやすいのも特徴です。

以下で高設栽培のメリットについてまとめたのでしっかり押さえましょう。

生産性が高い

高設栽培は生産性が高い栽培方法です。

生産性が高い理由として以下の3つがあげられます。

  • 【作業効率が向上する】
    高設栽培では、地面に畝を立てる必要がなく、ベンチ上で作業が可能です。そのため、土づくりや除草などの手間が省け、収穫や管理がしやすくなります。
  • 【収量と品質が向上する】
    高設栽培では、養液を自動に供給できるため、水や肥料の管理をより適切に行えます。また、地面から離れているため、害虫による被害が少なく、果実の汚れを防げるのも特徴の一つです。適切な養液管理ができ、出荷できるイチゴも増やせるため、収量と品質の向上につながります。
  • 【栽培マニュアル化を容易にできる】
    高設栽培では、栽培環境や養液の調整などをコンピューターで管理できるため、栽培マニュアル化が容易です。そのため、作業者の技術差や経験不足を補えるため、生産性を高められます。

収穫期間が長い

高設栽培は、平床栽培と比較して日中の果実温度が上昇しにくいです。

そのため、4月以降も品質の良い果実が収穫でき、収穫時期を延長させられます。

収穫期間が長ければ、その分収穫量を増やせるのがメリットです。

農薬・肥料のコストを抑えられる

高設栽培では、農薬と肥料のコストを抑えられます。

高設栽培は土壌に直接植え付けるのではなく、培地や養液を利用します。

そのため、土壌病害や雑草の発生が少なくなり、農薬の使用量を減らせるのです。

また、高設栽培では、養液システムを導入すれば、イチゴの生育状況に応じて肥料の量や種類を調整できます。

そのため、肥料を効率的に利用でき、肥料のコストを抑えられるのです。

害虫被害のリスクが軽減

高設栽培では害虫被害のリスクを軽減できます。

高設栽培は、地面から離れているため、地中から発生する害虫が物理的に近づきにくく害虫被害が発生しにくいのです。

害虫被害のリスクを軽減できれば、害虫の駆除作業を行わずにすむので、ほかの作業に時間をあてられます。

高設栽培のデメリット

高設栽培のデメリット

高設栽培のデメリットは3つあります。

  • 初期費用が掛かる
  • 温度調整が難しい
  • 電気代がかかる

高設栽培は、初期費用や電気代など主に経済面での負担が大きいのがデメリットです。

また、ハウスでの栽培のため温度調整も容易ではありません。

以下で高設栽培についてのデメリットをまとめたので参考にしてください。

初期費用がかかる

高設栽培をする際には、さまざまな設備や資材を購入しなければなりません。

ベンチや培地、養液などの設備や資材が必要です。導入にあたっては、ハウスメーカーや施工店による工事費用もかかります。

また、高設栽培では、温度や湿度などの環境制御が重要です。

環境制御には、ハウスやファン、ヒーターなどの設備が必要であり、電気代や燃料代などのランニングコストがかかります。

初期投資を回収するだけの収益を上げる経営計画を立てるのが重要です。

温度調整が難しい

高設栽培では温度調整が難しい傾向にあります。

ビニールハウス内の温度は外気温に大きく影響されるためです。

ビニールハウスは断熱効果はほとんどないため、日中に太陽光で暖かくなっていても外気温が下がるとハウス内の温度も下がる傾向にあります。

さらに、ビニールハウスは外気と遮断されているため、気象によっては屋外の気温よりも低くなる場合があるので注意が必要です。

こまめに温度計をみてハウス内の温度を調整しましょう。

電気代がかかる

高設栽培をすると電気代が大幅にかかります。

高設栽培では、養液を循環させるためのポンプや、養液のpHやECを自動調整するための装置など、電気を消費する機器を稼働させなければなりません。

そのほかにも、高設ベンチを移動させるためのモーターや、高さを調整するためのアクチュエーターなど電気を消費する機器が必要です。

また、温度調節が難しいハウス内ではヒーターやファンなどを使う必要があります。

高設栽培のコツ

高設栽培のコツ

高設栽培をする上でコツが3つあります。

  • 適度な温度調整
  • 空気の循環が重要
  • 適度な水やり

高設栽培を成功させるためには、イチゴを育てる環境を整えるのがポイントです。

高設栽培のコツをまとめたのでぜひ参考にしてください。

適度な温度調整

高設栽培には適度な温度調整が重要です。

作物には、生育の「限界温度」があります。

限界を超えた場合は、栽培の支障になる高温障害や低温障害を起こし、収量や品質に大きく影響します。

生育適温と合わせて把握しておきましょう。

外気温を把握するためにも、ビニールハウスの外にも測定機器を設置し、こまめにビニールハウスの温度調整を行いましょう。

空気の循環が重要

高設栽培を成功させるためには、空気の循環が重要です。

空気の循環が良いと、イチゴの葉や果実の表面に付着した水分が乾きやすくなり、病気の発生を防げます。

また、イチゴの葉や果実に酸素が供給されやすくなり呼吸作用の促進が可能です。

酸素だけではなく、二酸化炭素も供給されやすくなり、光合成作用を促進され、品質の向上につながります。

空気の循環を良くさせるためには、ハウス内でファンを活用したり換気をこまめに行ったりするとよいでしょう。

適度な水やり

高設栽培では、適度な水やりも重要とされています。

高設栽培では、地面に比べて土壌の量が少なく、水分の蒸発も早いです。

そのため、水やりの頻度や量を適切に調整する必要があります。

適度な水やりをするためには、土壌の乾湿状態や気温や日射量などを観察し、状況によって潅水方法や時間を変えるとよいでしょう。

イチゴ栽培を効率化する高設栽培

イチゴ栽培を効率化する高設栽培

イチゴ栽培を効率化する方法として高設栽培があげられます。

高設栽培は、初期費用がかかるデメリットはありますが、イチゴ栽培の生産性を大幅にあげられる栽培方法です。

また、農薬や肥料のコストを削減できるだけではなく、収穫がしやすくなるなどの作業負担を軽減できます。

高設栽培は、作業性や収益性の観点で非常に有効な栽培方法です。

この記事を参考にぜひ導入を検討してみてください。